新規ビタミンE誘導体“リポイルビタミンE”を用いた透析膜の開発
研究責任者 |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 現在までに、メディカルデバイスに関する市場において、ビタミンEをコートした透析膜等が上市されているが、従来品との効果の点で十分に差があるとは言い難い。この理由の一つに、ビタミンEの効果が不十分である可能性が指摘される。今回、我々は、ビタミンEの抗酸化力・抗炎症効果を際立出せるために、同じ生体内で必須な物質の一つであるαリポ酸と結合させたLipoyl-VEの開発に成功し、本薬剤をコートした世界で初めての血液透析カラムの基礎研究を実施した。本研究の結果Lipoyl-VEを新たにコートした膜は、従来の製品に比較してLPS誘発全身性炎症反応モデルにおいて生存率の向上等の効果を見出すことに成功した。これらの事実は、Lipoyl-VEを用いた新たな血液浄化膜の開発が急性腎機能不全時のあらたな膜素材として有効である可能性が示されたと考える。
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