概要 | 細胞や分子を微小な空間で扱うバイオチップの構造材料として利用されているエポキシ樹脂系ネガレジストが、紫外線リソグラフィの加工パラメータで拡散係数を制御可能な「分子透過膜」として利用できることを実証することに成功した。例えば本研究開発の分子透過膜におけるRhodamine-6Gの拡散係数は10^-8~10^-6 mm^2/sレベルを実現できることがわかった。さらにエポキシ樹脂系ネガレジストの分子透過特性に関する基礎的な現象を粗視化分子動力学法によって裏付けることができた。提案する分子透過膜の加工技術は汎用性があり、かつバイオチップ内へ簡単に集積加工できるため、新規のバイオ実験用プラットフォームに応用展開できる。今後は各種イオンや糖類などの透過特性を明らかにすることで,実用性のある分子透過膜として企業化できる。
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