ワイヤレス磁気マーカを用いた経管チューブの誤挿入検知システムの開発
研究責任者 |
薮上 信 東北学院大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究は生体へのチューブの誤挿入による医療事故を防止するために、チューブ位置を簡便かつリアルタイムで確認する機器の開発を目的とする。提案する位置検出方法は磁性リボンの磁歪振動による誘導磁界を多チャンネルの検出コイルで計測し、マーカの位置および方向を最適化する手法である。貼付する磁気マーカはワイヤレス、バッテリレスで構成でき、光学的に遮蔽された空間でも、高精度かつ簡便な位置検出が可能である。本研究では経鼻経管チューブ先端に磁歪振動マーカを貼付し、コイルとコンデンサからなるLC共振型マーカに対して、信号レベルが約一桁大きくなり、位置精度が向上することを確認した。高速ADコンバータを使用することで、プロジェクト開始直後に対して振幅のノイズが約1/30に低減できた。また3軸励磁コイルを用いることでほぼマーカの死角のない状態で、任意の方向のマーカの位置を計測できることを示した。これらにより1辺350mm程度の立法体内部で、2mm以内の相対位置精度を得た。さらにウサギへチューブを挿入する予備的な動物実験を実施した。
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