研究責任者 |
古川 信之 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究では、従来の研究を体系的に発展させ、新材料技術を確立するため、新規な高靭性ベンゾオキサジンの開発とともに、ベンゾオキサジン構造とその基本特性(結晶性、軟化温度、開環重合温度等)および架橋反応物の耐熱性について、構造相関について検討した。さらに、ベンゾオキサジンスペーサーへのアミド結合を有するアルキレン鎖の導入、アゾメチン基の導入により液晶性の発現を期待したが、これまでの検討では明確な液晶性は見いだせなかった。これらの開発において、共同研究者により、ベンゾオキサジン環の開環重合性について、反応性解析(使用ソフト:SPARTAN)によるスペーサー部の電子的効果が反応性に影響を及ぼしていることが示唆された。また、熱可塑性ポリイミドとの複合化により従来材料の高性能化を達成し、有用な分子複合材料技術を提供することを目的として検討を行い、熱可塑性ポリイミド/ベンゾオキサジン系セミIPN型耐熱接着材料については、フィルム形成能に優れ、加熱時の流動性が良好で、硬化反応後の耐熱性に優れた材料の開発に至った。また、共同研究者により、ポリイミド/ポリイミド系複合材料開発を目的として、マイクロリアクターの利用による複合材料用ナノレベル粒子の開発検討も実施した。これらは、電気・電子部材用樹脂材料の高性能化が、今日、強く望まれており、プリント回路基板用(特に車載用)接着材料、フィルム材料、コーティング材料、半導体関連材料等の実用材料としての応用技術へ繋がるものと期待される。
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