概要 | DNAメチル化酵素やHDACの阻害剤を用いたエピジェネティック制御に基づく新規有用物質探索法の実用化に向け、適応範囲の拡大を目的とし、特異な生活環を有する昆虫寄生糸状菌や植物内生糸状菌を対象に探索を行った。その結果、それぞれ数種の菌から、新規骨格を有するポリケチド類を含む30以上の新規物質の取得に成功し、本法の汎用性の高さと有用性を示した。さらに、本法を数種の植物カルスに適用することで、植物への応用展開の可能性を示す知見を初めて得た。今後、糸状菌では、DNAメチル化酵素やHDAC阻害剤に加え,ヒストンメチル化や脱メチル化酵素阻害剤を取り入れ、また、探索糸状菌の多様性を拡げることで、より多くの新規有用物質の取得を目指す。植物では、生薬を中心としたカルス細胞に適用し、有用薬理活性物質の効率的生産を目指す。
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