学習機能改善薬スクリーニングの新規モデル動物の確立
研究責任者 |
植田 弘師 長崎大学, 歯薬学総合研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究の目標は、学習機能障害を改善する薬物のスクリーニング系を開発することである。関連治療薬を評価するためには学習障害動物モデルを確立する必要がある。我々はまず、神経細胞保護分子を大脳皮質・海馬領域特異的に欠損させたトランスジェニックマウスを用いて、精神・神経系脆弱性の検証を行った。一連の行動実験により、記憶・学習障害が確認できたほか、不安行動表現型も呈することが明らかとなった。そして既存の抗認知症薬を投与しても、その記憶・学習障害を回復することはなかった。したがって、このトランスジェニックマウスは、既存の抗認知症薬では治療困難であった精神疾患への新規薬剤の効果を評価可能とする新しい動物モデルとして、今後の活用が期待される。
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