携帯型測定装置による薬毒物のオンサイト化学発光分析法の開発
研究責任者 |
岸川 直哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究では中毒事故現場での迅速な薬毒物の判別や重症度判定を目的として、携帯型測定装置を用いる薬毒物の化学発光測定法の開発を行った。本研究で開発した測定法は、薬毒物溶液と化学発光分析試薬とを混合し、生じる発光を測定するという極めて簡便な方法である。本法では、パラコートやシアン化カリウムといった薬毒物を5分以内という短い時間でng - μg/mLレベルの感度で測定可能であった。さらに本法は、清涼飲料水や唾液中に存在するパラコートを単純な前処理操作のみで良好に検出することができた。小型で軽量な携帯型装置を用いる本測定法を、事故現場での飲み残しや中毒患者の口中から採取した試料へと応用することで、薬毒物の特定や服用量の推定を迅速に行うことが可能であり、効果的な救命措置へとつながることが期待される。
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