高温超伝導バルク磁石による永久磁石の静磁場着磁技術の研究開発
研究責任者 |
岡 徹雄 新潟大学, 工学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 現在、永久磁石の着磁工程は電磁石によるパルス着磁が主流である。しかしこの方法は着磁磁場に限界があり、高性能な永久磁石を完全に着磁することは困難になりつつある。また、着磁の度に熱が出て連続的な使用ができず、装置を冷やすために冷却水を用いるので漏電の危険などの問題もある。バルク超伝導体を用いた強磁場発生装置を用いれば、その3T以上の磁場によって高性能な永久磁石を完全に着磁することができる。この着磁の際には熱が出ず、冷却水を用いなくて良いことから新たな着磁法として注目を集めている。本研究では、実用的な開発対象として、電気自動車などに使われるインテリア型DCブラシレスモータの回転子内部に組み込まれた高性能な希土類永久磁石を、回転子の外部から静磁場によって着磁するための技術開発を行う。着磁に使う静磁場は小型の超伝導バルク磁石で発生し、これをモータ回転子の表面で走査することにより、内部の磁石をその材料性能の限界まで着磁する。この静磁場着磁法は、モータ設計の自由度を向上することができるほか、従来のパルス着磁法に比べ、着磁に際して発熱がなく、連続した高い生産性の着磁工程が実現できるほか、機械的な衝撃を生じないことから機器の信頼性にも優れ、技術移転に際して残された課題が少なく、早期の実用化が可能である。
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