ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)による早期抗うつ効果発現機構を応用した新規抗うつ薬の開発
研究責任者 |
松原 敏郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 近年、気分障害の病態に遺伝子の塩基配列を変化させることなく発現調節を行うクロマチンリモデリングの機能異常の関与が注目されつつある。当教室の先行研究では、気分障害患者の白血球においてクロマチンリモデリング因子の一種HDACのmRNA発現量の異常が認められた。また当科作成のうつ病モデルマウスにHDAC阻害剤を投与したところ、うつ様行動の改善が認められた。これまで明らかにしてきたうつ病の病態とHDACとの関連、更にはHDAC阻害剤が持つ抗うつ効果等の成果に基づき、本申請ではHDAC阻害剤の抗うつ効果の分子機構を検討したところ、幾つかの知見を得る事ができた。今後はこの機構を標的とした新規抗うつ薬の創薬開発に努めていきたいと考えている。
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