有機デバイスにおけるキャリア寿命の高感度評価法の開発
研究責任者 |
小林 隆史 大阪府立大学, 工学研究科 電子・数物系専攻 電子物理工学分野, 助教
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 有機材料からなる電子デバイスは多くの場合、数100nm程度の膜厚であり、内部を走行するキャリアは数μs程度で対向電極に到達するか、または再結合する。このような走行時間または寿命を、特定の層に注目して、かつ実際のデバイスを用いて決定することはこれまで極めて困難であった。本研究では変調分光法を反射配置で用いることにより、非常に高い感度でこれらの時定数を決定する手法を開発した。具体的には有機太陽電池において、1μsを切る時間分解能を達成し、さらに短絡回路条件のようなデバイス内部のキャリア密度が著しく低下するような状況でも寿命決定が可能なことを実証した。この手法を用いれば、有機デバイスの作製プロセスの改良や材料選択を合理的に進めることが可能となり、早期実用化に貢献できるものと期待される。
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