研究責任者 |
酒井 温子 奈良県森林技術センター, その他部局等, 研究員
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 銅は多くの微生物に対して抗菌力を持ち、かつ人に対する安全性が比較的高いことから、木材用防腐剤の主成分として利用されるが、木材腐朽菌の中には、木材に含浸させた銅を、木材内部から外部へと運搬する性質を持つ銅運搬菌が存在する。そこで、本研究では、銅運搬菌に抵抗力があり、運び出されない銅化合物を見つけることを目的とし、それを主成分とする木材防腐剤の開発という最終目標に向けて、足がかりを得ることを目指した。15種類の銅化合物を用いて処理木材を調製し、4種類の銅運搬菌による培養試験を実施した。その結果、銅化合物によって運ばれやすさに差があることが明らかになった。また運ばれやすさの傾向は、4種類の菌に共通していた。今後は、銅運搬菌に運ばれなかった銅化合物やその類似の化合物に注目し、新規な銅系木材防腐剤の開発を検討する。
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