高効率原油増進回収に向けた二酸化炭素用増粘界面活性剤の開発
研究責任者 |
鷺坂 将伸 弘前大学, 大学院理工学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 原油増進回収の溶媒として利用される高密度CO2に対し、低回収率の原因となる低粘度を改善するため、棒状逆ミセルの形成により粘度を2倍以上に増大させる検討を行った。界面活性剤をCO2によく溶解させるためにはフッ化炭素を導入することが要求されるが、環境負荷が高いため、フッ化炭素をできる限り少なくしたCO2溶解性界面活性剤を設計、合成した。合成した界面活性剤のうち、炭素鎖長6の一本のフッ化炭素鎖をもつハイブリッド界面活性剤が、小角中性子散乱測定(SANS)測定および解析から、超臨界CO2中で棒状逆ミセルを形成することがわかった。発見された棒状構造のアスペクト比は4.1倍であり、それは1.2倍程度のCO2の粘度増大を起こしているものと示唆される。目的の2倍の粘度増大には至らなかったものの、棒状逆ミセルの発現は、超臨界CO2系では極めて稀であり、原油増進回収に向けたCO2増粘界面活性剤の開発に大きく道を切り開いた。
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