ナノインプリントによるガラスの高アスペクト成形法の開発
研究責任者 |
荒井 政大 信州大学, 工学部, 教授
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 収束イオンビーム加工機を用いてアモルファスカーボン金型にライン&スペース形状の加工を行う。ビームの出力制御およびステージ駆動の制御を最適化し、最終的に溝幅150nm、 高さ800nmの高アスペクト比の溝加工が可能となった。ガラス成形装置(ホットエンボス)を用いてナノインプリント成形試験を実施した。ガラス材料にはD263を用い、成形温度はD263のガラス転移温度を考慮して、600~650°Cの温度範囲でライン&スペース金型を用いたナノインプリント成形を行った。さらには、ナノインプリント試験を模擬するため、汎用有限要素法解析コードANSYSを用いて熱ナノインプリント成形過程の数値計算を行った。その結果、成形温度と成形高さの関係において、概ね実験結果と成形結果は高精度に一致することを確認した。また、有限要素法による数値解析により、ナノインプリントにおける成形圧力や成形時間、成形温度等の諸条件を適切に予測し得ることを明らかにした。本研究では、成形後の残留応力や応力集中部における応力低減を予測することを最終的なゴールとしたが、本研究期間内ではそれは達成できなかったため、達成度は70%と自己評価する。今後は、成形中および成形後の内部応力を適切に評価し、成形時に製品の破損が生じず、成形後の製品における残留応力を可能な限り低減し得る成型方法を数値シミュレーションにより予測することが課題となる。
|