細胞増殖制御能を持つ機能性絹糸開発に向けたカイコの分子育種
研究責任者 |
小谷 英治 京都工芸繊維大学, 大学院工芸科学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 生体における細胞増殖調節能を有する機能性絹糸を開発するために、絹糸腺において細胞増殖因子を発現するカイコを形質転換技術により作ることを目指した。カイコ体内での細胞増殖因子の安定生産や増殖因子の放出性を確保するために、除法性担体としての性質を持つタンパク質微結晶に発現した細胞増殖因子をカイコ絹糸腺内で固定化した。得られた遺伝子組換えカイコの絹糸腺を用いて解析したところ、この組織内のタンパク質結晶には確かに活性のある細胞増殖因子が固定化されていることを認めた。こうした結果は、カイコ絹糸腺をもとにして細胞増殖因子を除法できる成形繊維を加工することも可能であることを示しており、新たなバイオマテリアルとしての事業化にも応用できると期待できる。
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