概要 | 歯周病は、日本人成人の約80%が罹患している代表的な歯科疾患であり、Porphyromonas gingivalisなどの口腔細菌によって発症する。申請者は、少なからずヒトに副作用や毒性を示す従来の抗菌成分に代わる、より安全な米タンパク質成分を探索した。今回新たに同定した成分は、100pM程度でP. gingivalisの生育を完全に抑制する強力な抗菌活性を有し、かつ70°Cの熱処理にも耐えうる高い安定性を有していた。また、分離法を改善することにより、分離効率を50,000倍向上することができた。今後は、同成分の生育阻害メカニズムの解明や、モデル動物を用いた効果の検証等を通して、歯周病予防向けの機能性食品素材への技術移転を目指していく。
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