研究責任者 |
長谷部 裕之 石川県工業試験場, 繊維生活部, 技師
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 熱可塑性繊維強化複合材料(FRTP)を作製において、炭素繊維間への母材樹脂の含浸向上の手段として、母材樹脂である熱可塑性樹脂繊維と炭素繊維との混繊繊維(コミングル繊維)から作製する方法がある。本研究では、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を母材樹脂として選定し、炭素繊維と同等の繊度と、昇温時に炭素繊維の配列を乱さないよう収縮率に注目し、PPS繊維を作製した。その結果、炭素繊維1980dtexに対して1800dtex、かつ、目標収縮率5.0%に対して収縮率6.6%のPPS繊維が得られた。このPPS繊維と炭素繊維のコミングル繊維から作製したCFRTPは曲げ強度531MPa、層間せん断応力535MPaであった。フィルムと炭素繊維から作製したCFRTPと比較すると、曲げ強度は低く、層間せん断応力は高い。これらの相違は混繊時の炭素繊維の毛羽が影響していると考察した。
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