極薄遷移金属酸化物における電界効果による電気伝導制御の研究
研究責任者 |
鳥海 明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | ReRAMの動作原理の明確化と制御手法の提案をめざして、薄膜遷移金属酸化膜、特にTiO2薄膜を用いた二端子電気伝導とNiO薄膜を用いた三端子電気伝導の評価を行った。TiO2酸化膜はTi薄膜の酸化温度を変えることで酸素濃度を制御した。抵抗値は酸化温度を制御することで約10桁変化した。この領域におけるTiO2の二端子電気伝導には時間依存性が観測された。電流は時間と共に増加し飽和する。NiO薄膜の場合、三端子素子を形成することで電流の時間依存性を調べた。その結果、大変ゆっくりとした時間変化とゲートバイアスによる電流の増加を観測できた。これらのことは遷移金属酸化物薄膜の電気伝導を考える時には、電気伝導の時間変化を考えなくてはならないことを意味する。原理的には原子の移動による局所的ポテンシャルの変化を通じたキャリア伝導の変化を観測していると考えられる。
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