多糖のらせんキラリティーを利用した高分子不斉触媒の開発
研究責任者 |
井改 知幸 金沢大学, 理工研究域物質化学系, 助教
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 多糖のらせんキラリティーを不斉源に利用した高分子不斉触媒の選択性を向上するための設計指針抽出を目標に掲げ、様々な多糖誘導体型触媒を系統的に合成した。本研究を通して、「多糖の高次構造が不斉選択性に与える正の効果」、「芳香環上のN-オキシド基の最適位置」など、不斉選択性を向上するための有用な知見を得ることができた。また、側鎖フェニル基上のアルキル基の種類を変えるだけで不斉触媒能が大きく変化することが分かり、多糖誘導体の構造スクリーニングを突き詰めることで、不斉選択性が飛躍的に高まる可能性があることが明らかとなった。次年度以降は、多糖の主鎖骨格の違いが不斉選択性に大きく影響を及ぼすことに着目して、アミロースやセルロース以外の多糖を用いて不斉触媒の開発を継続する。
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