研究責任者 |
並木 淳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 神経幹細胞の自己複製促進剤であるマウスECF-L蛋白質と相同性の高い3種のECF-Lヒトホモログ蛋白質は、いずれもin vitroの実験により、対照群と比較して有意に高いマウス神経幹細胞の自己複製促進効果を示した。3種の蛋白質間ではその効果に差を認めなかったため、この中から1つのオーソログ候補蛋白質を選択してin vivoの検証実験に進む当初計画を変更した。ヒト血管内皮前駆細胞の分泌蛋白質にECF-Lと相同性の高い蛋白質が存在している可能性について、ショットガンプロテオミクスによる網羅的解析を行ったが、既知の蛋白質データベース検索ではその存在は確認できなかった。しかし、ヒト血管内皮前駆細胞の分泌蛋白質には、ウエスタンブロットにてECF-Lモノクローナル抗体が認識するバンドが確認され、マウスECF-Lよりも約20kDa大きい分子量を持つことが示された。今後はこのヒト蛋白質の同定と、神経幹細胞に対する生理活性の検証を進める予定である。
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