Ras/Rafシグナル伝達を阻害する新規抗がん剤の開発
研究責任者 |
島 扶美 神戸大学, 医学研究科, 講師
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | Ras/Rafシグナル伝達系は分子標的がん治療薬開発上格好のターゲットである。Raf阻害剤がその開発成功例として広く使用されているが、近年薬効上の問題が露呈し新薬の開発が切望されている。申請者は、Rasの立体構造情報に基づくRas/Raf結合阻害剤の探索過程で偶然得た新規化合物に、Ras/Raf分子間結合を阻害することなくシグナル伝達を阻害する新規作用を見出した。本研究では、難治性の膵臓がんを含む複数のがん細胞株に対して強い活性を示す5種類の化合物を抽出し、うち1種類については担がん動物にて市販薬を凌ぐ強い抗がん作用が確認された。今後この化合物の構造展開による活性改善を視野に入れた開発を行う。
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