非鉛系圧電セラミックスを用いた医療用超音波探触子の開発
研究責任者 |
唐木 智明 富山県立大学, 工学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究のチタン酸バリウム圧電セラミックスの圧電諸特性は室温付近の相転移に大きく影響され、抗電界が小さく、温度安定性が悪いという問題点がある。改善の結果、抗電界を300V/mmまで向上できたが、他の特性は比誘電率2500、電気機械結合係数kp39%、機械的品質係数Qm320、周波数温度係数2600ppm/°C、圧電定数d33280pC/Nとなった。アレイ振動子評価の結果、幅厚み比が0.5で短冊試料の矩形型k33'が47%であった。シングル振動子の感度は-55dB、帯域は45%であった。いずれも鉛系のPZT材料に比べて劣っている。チタン酸バリウム圧電セラミックスの高性能(d33~460pC/N)を生かすには、温度があまり変動しない環境で動作するシングル振動子などに限定される。医療用超音波診断装置の探触子のような正負の駆動電圧動作のデバイスへの応用は難しいことが分かった。
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