高い放射性物質吸着特性を有する新規無機イオン交換体の開発
研究責任者 |
西岡 洋 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 准教授
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 本研究の目標は、拡散する放射性物質、特に半減期の長いセシウム137やストロンチウム90を環境中から高速かつ高効率で除去するための吸着材となる無機イオン交換体を安価な原料から開発することである。開発はほぼ完了し、新規吸着材として特許出願済み(兵庫県とフジライト工業(株)の共同出願、出願番号:特願2011-239290)である。10ppmのセシウムやストロンチウムの水溶液を用いた吸着実験では10分程度でほぼ100%の除去が可能であった。人工海水を使用した実験では吸着率が低下したものの、セシウムについては天然ゼオライトの1/10の時間で70%以上の吸着率を示した。目標は概ね達成したと考えられる。今後の展開としては、スラリー化した吸着材による土壌の洗浄を想定している。南相馬市で予備実験した結果では、簡単な操作で57%程度のセシウムを除去できたため、土壌洗浄剤としての応用開発も目指している。
|