高親和性と認識特異性を有する水銀イオン選択的蛍光プローブ分子の設計
研究責任者 |
三方 裕司 奈良女子大学, 共生科学研究センター, 准教授
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 本年度は、昨年度開発したHg2+センサーであるL2において見られた、Cr3+やFe3+に対する蛍光応答を抑えることと、化合物の水溶性およびppbオーダーの検出感度の実現を目標とした。クマリン誘導体L7を合成し、水溶性を達成することができたが、分解反応が見られたため、測定には有機溶媒との混合系を用いた。L7の蛍光はHg2+の存在下で大きく消光し、Cr3+やFe3+に対する応答はほとんど見られなかったが、銅イオンに対する応答が見られた。L7はHg2+と同属であるZn2+およびCd2+に対しては全く応答しなかった。すなわち、 L7と L2を組み合わせて使用することによる、水銀イオンの特異的な検出系が構築できた。Hg2+に対する感度は数十から数百ppbであると見積もられた。
|