発光タンパク質の放射光を利用した光駆動イオンポンプタンパク質の機能発現
研究責任者 |
佐々木 貴規 明治大学, 理工学部, 特任講師
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 本研究では、光駆動Cl-ポンプ機能を持つ膜タンパク質ハロロドプシン(HR)と、発光タンパク質ルシフェラーゼ(ELuc)を遺伝子工学的に融合し、暗所下においても発光基質の添加によりCl-ポンプ活性を示す新たな融合タンパク質の作製を目標とした。大腸菌発現系における発現条件の検討により、HR成分、ELuc成分共に活性を有する融合タンパク質(HR-ELuc)を発現させることができた。生体膜上にHR-ELucを発現した大腸菌は、懸濁液中の発光基質を取り込むことで、速やかに発光することも明らかになった。一方、工学的な技術移転に向けたHRの安定性向上については、特定のカロテノイドをHR三量体へ結合させることで、その3次構造の熱安定性を大幅に向上させることに成功した。本研究で作製された融合タンパク質が、野生型HRと比べてどの程度のCl-ポンプ活性効率を持つかの定量的評価、及びその活性効率の向上については、今後の課題となった。
|