新規抗菌薬S-ニトロソ化α1-酸性糖タンパク質の開発と多剤耐性菌治療への応用
研究責任者 |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究では、感染時に生合成が亢進する一酸化窒素(NO)とα1-酸性糖タンパク質(AGP)の反応物であるS-ニトロソ化AGP(SNO-AGP)の多剤耐性菌に対する抗菌作用を検証した。その結果、AGPがNO の細菌内輸送担体として効率よく機能する結果、既存薬とは異なる機序で強力かつ広域な抗菌スペクトルを獲得することを初めて見いだした。また、既存の抗菌薬との併用において相乗効果を発揮することや、長期保存下においても安定であることを実証した。したがって、新規作用機序と薬剤耐性克服効果を併せ持つSNO-AGPは、臨床現場で猛威をふるう多剤耐性細菌の克服に対して幅広い臨床応用が大いに期待される。
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