インスリン抵抗性を改善する機能性脂質の開発に関する基礎研究
研究責任者 |
芦田 均 神戸大学, 農学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究開発では、アラキドン酸の筋肉細胞におけるインスリン抵抗性抑制作用機構の解明を目的として実施した。アラキドン酸は、既に有効性が報告されているオレイン酸と比べて1/75の濃度で同等の効果を示した。その効果は、アラキドン酸のnPKC活性化の抑制により、パルミチン酸が惹起するインスリン受容体発現量の減少やインスリン伝達におけるシグナル伝達阻害が改善されることに起因することを明らかにした。また、食用油脂をマウスに13週間与えて糖負荷試験を実施したところ不飽和脂肪酸であるリノール酸を多く含むコーン油は、パルミチン酸を多く含むラードやパーム油よりインスリン抵抗性を発症させにくいことが示唆された。今後は、リノール酸より効果が強いアラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸を富化させた機能性食用油脂開発の基礎となる研究を展開する。
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