メグシンを分子標的とする腎疾患治療薬のリード化合物の探索
研究責任者 |
段 孝 東北大学, 医学系研究科附属創生応用医学研究センター分子病態治療学分野, 講師
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 糖尿病性腎症治療薬としてのmegsin 阻害薬開発を目的に、大規模化合物ライブラリーをハイスループットスクリーニング(THS)することで技術移転可能なリード化合物の発見を目指した。今回大量精製したヒトmegsinの既報との同等性を確認し、THS系の実用性は、リードとはならなかった陽性対照S3-18とmegsinと同じSERPINファミリーに属し、THSでリードが発見されているPAI-1を用いて検証した。東大が保有する化合物ライブラリーCore9600(20万化合物を代表)をHTSしたところ、PAI-1では複数の特許/開発中の化合物に類似するヒットがあったが、megsinではヒットが得られなかった。以上から、megsinはPAI-1とは異なり、低分子化合物による活性制御が困難であることが強く示唆された。また、ヒット(リード)化合物が得られなかったことから、実用化の見通し(技術移転の可能性など)は立たなかった。今後、megsinの発現機序や受容体の解明により、それらの機構を調節する薬剤開発研究を進め、再提案を期す。
|