概要 | H15以来、独自製法による3d遷移金属を含むnmサイズ磁気微粒子研究を行ってきた。医療分野では生体組織や細胞内物質構造解析要求があり、本技術を質量分析用のイオン化支援剤に適用、質量分析スペクトルの高分解能化や高解像度分子イメージング技術に発展させることを目指した。 Co, Ni, Cu, Zn等の3d遷移金属を含む水酸化物、酸化物、それらを複数含む化合物のナノ微粒子がイオン化支援機能を持つことを明らかにした。また、これらをマトリックスとして低分子薬剤の質量分析を行い、従来困難であった低分子の質量領域で高分解能な検出を可能とした。分子イメージングでは、初期実験で、数十μmの解像度でイメージングが可能であることを突き止めた。今後、イオン化支援機能と原子の種類、磁化との関係や、熱力学的アプローチから未解明のイオン化メカニズム究明を進める。分子イメージングでは、具体的ターゲットを決め、分化過程や病気の進行に関する知見を得ていく。
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