動的らせん高分子の特性を活かした選択性のスイッチングが可能なキラル分離剤の開発
研究責任者 |
前田 勝浩 金沢大学, 理工研究域物質化学系, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 側鎖にビフェニル基を導入した光学不活性なポリアセチレン誘導体が、溶液中だけでなく固体状態でも光学活性化合物と接触させることにより一方向巻きに片寄ったらせん構造を形成し、誘起されたらせんキラリティーが、光学活性化合物を完全に除去した後も記憶として保持されることを明らかにした。また、本ポリマーを物理的にコーティングしたシリカゲルをステンレスカラムに充填することによって高速液体クロマトグラフィー用キラル分離剤として利用したところ、光学活性化合物を含む溶離液を通液することによってポリマー主鎖に一方向巻きのらせん構造が誘起・記憶され、ラセミ体の光学分割が可能となり、さらに逆のエナンチオマーを通液することによって、溶出順序のみを完全にスイッチングできることを実証することに成功した。
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