酵素-カーボンナノチューブ間電子移動の高速化とバイオ電池応用
研究責任者 |
末 信一朗 福井大学, 大学院工学研究科ファイバーアメニティ工学専攻, 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 4つのサブユニットから成る耐熱性L-プロリン脱水素酵素(L-proDH)は、熱安定的であり、バイオ電池のアノード用の生体触媒として有望である。本酵素のそれぞれのサブユニットのN末端にHis-tagを導入し、電極上のニトリロ三酢酸を介して配向固定し酵素反応に基づく電気化学的測定を行った結果、触媒部位が外側に位置するアルファ・-His L-proDH固定化電極が最も電子伝達が効率的であり、酵素分子の電極上での配向性が重要であることが明らかになった。 また、高効率なバイオ電池用電極の構築を目指し、マルチウォールカーボンナノチューブにポリエチレンイミンを複合体化し、これと L-proDHを交互積層法により炭素電極の表面に修飾した。20層の積層電極が最も高感度であり、未修飾の電極の約235倍の電流応答性を有していた。また作製から242週間後でも当初の768.8%の電流応答を維持していた。
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