概要 | 本研究は、細菌を16S rRNA遺伝子配列解析法と比較し、株レベルで簡便・迅速に識別するために必要な新たな手法とそのためのデータベース構築法を確立することを目的とし、その目的を達成した。つまり、細菌のS10-spc-alphaオペロンにコードされているリボソームタンパク質をバイオマーカーとするデータベースを構築することにより、産業的にニーズの高いLactobacillusおよびLactococcus属細菌では、Lactobacillus paracasei, L. caseiおよびLactococcus lactisの亜種の迅速識別が可能となった。さらに、環境から単離したSphingomonadaceaeでは、16S rRNAの塩基配列が1塩基のみ異なる細菌を、株レベルで識別できた。本手法をS10-GERMS法と命名し、今後は、本法の実用化を目指して展開する。
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