グラム陽性細菌のクオラムセンシングを標的とした眼内炎予防治療薬の開発
研究責任者 |
中山 二郎 九州大学, 農学研究院, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 近年、白内障術後感染症の起因菌として問題視されている腸球菌は、菌密度依存的発現誘導機構“クオラムセンシング(QS)”によりその病原因子であるゲラチナーゼの生産を制御している。本研究では、QSの自己誘導因子(AIP)であるGBAPの生合成阻害剤および受容体アンタゴニストを創製し、眼内炎予防・治療薬とすることを目的としている。まず、GBAPのアンタゴニストをリバースアラニンスキャン法によりデザインし、IC80 = 100 nMのZBzl-YAA5911を得ることに成功した。そしてZBzl-YAA5911をウサギ眼内炎モデル実験に供し、網膜毒性を示さない濃度範囲にて、腸球菌の硝子体から水晶体への移行を有意に阻害することを確認した。同時に、天然物からのスクリーニングにより有望なQS阻害物質を複数見出しており、それらとのカクテル療法によりさらに有効的に感染を予防できるものと期待される。
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