弾性ロッドの共振実験による超高層建造物の破壊的な揺れの研究
研究責任者 |
牧原 義一 三重大学, 教育学部理科教育講座(物理), 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 任意の強制振動数に対する弾性ロッドの振動状態を計測・解析するために、加振装置、高速ビデオカメラおよび画像処理システムから構成される振動計測実験システムを作製した。本装置を用いた実験により、ロッドの固有角振動数付近でロッドの振幅が急激に増大し、ロッド先端の軌道が直線的なプラナー軌道から周期的な楕円軌道および円軌道へと変化することを初めて明らかにした。さらに、楕円軌道が閉じずに規則的にその形や向きが変化する「準周期軌道」も観測され、そのストロボプロットが閉じた曲線を示すことが分かった。しかし、これまでの実験ではカオス軌道は観測されなかった。一方、シミュレーションでは、プラナー軌道および楕円軌道は観測できたが、周期的な楕円軌道や準周期軌道を観測することはできなかった。これは、弾性ロッドの復元力の項に起因するものと考えられる。今後、リアプノフ指数の計算方法の開発も含めて、実験およびシミュレーションの内容を改良してゆく予定である。
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