研究責任者 |
北川 雅恵 広島大学, 口腔検査センター, 助教
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 歯周組織においてセメント芽細胞に特異的に発現するF-spondin (SPON1) の炎症時における機能を明らかにするために、歯周靭帯細胞(HPL)、SPON1を過剰発現させたHPL (HPL-spondin)およびヒトセメント芽細胞を用いて歯周病原性菌由来のLPS刺激に対する炎症性サイトカインの発現および培養上清中のPGE2の産生量を検討したところ、IL-6 mRNA発現およびPGE2産生量はSPON1発現により抑制された。また、siSPON1によりSPON1の発現がノックダウンされると軽度ではあるがIL-6の増加も認められた。本研究結果より、SPON1の発現とIL-6およびPGE2の産生が関連を持っていることを明らかにしたことより、本年度の目標を達成した。今後は、歯周炎が生じた際の宿主側の因子として、SPON1が新しいバイオマーカーとなる可能性が考えられるため、SPON1の発現を歯周組織中から測定する方法を検討していく予定である。
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