環境の温度に応答して薬剤の放出/非放出を制御するインテリジェント繊維の開発
研究責任者 |
廣垣 和正 福井大学, 大学院工学研究科 ファイバーアメニティ工学専攻, 助教
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 繊維に電子線照射技術によりシクロデキストリン(CD)とポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)をグラフト共重合し、CDに機能性の薬剤を包接・担持することで、薬剤の吸着・放出を温度によりスイッチングできるインテリジェント繊維の創出を目的とした。β-CDとNIPAAmをポリエステル繊維にグラフト共重合し、温度に応答して繊維の親水性・疎水性が変化する布を作製した。布は、水中でグラフト層の相転移温度を境に、低温では薬剤を多く吸着し、高温では少量の薬剤しか吸着せず、薬剤の吸着を温度によりスイッチングできた。一方で、薬剤放出の明確なスイッチングにまでは至らなかった。薬剤の放出には、繊維のグラフト層および、放出雰囲気に対する薬剤の親和性のバランスが重要であることが見いだされ、今後、薬剤の選定、グラフト層の化学構造の調製により、この課題の解決を進める。
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