概要 | 本研究はスパッタ法を用いて、次世代太陽電池にも十分対応できる赤外まで透明なSnO2透明導電膜を作製する事を目標とした。アナターゼ型TiO2シード層およびルチル(Ti,Nb)O2固溶体シード層を用いてSnO2薄膜の移動度改善を試みた。前者においては2倍程度の、後者においては30%の移動度の向上が見られた。現時点で得られた移動度は35~40cm^2・V^-1・s^-1程度であり、最終的な目標値の80cm^2・V^-1・s^-1の半分程度ではあるが、過去のスパッタ法による報告値10~20cm^2・V^-1・s^-1から二倍近く改善されている。更に、スパッタ法においてはドーパントの活性化が抑制されやすい事、シード層がドーパントの不活性化を解消し、70%程度の高いドーピング効率が得られる事が分かった。
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