ホストゲスト分子システムを基盤とする薬物送達および放出に関する探索研究
研究責任者 |
林田 修 福岡大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 本研究では、ゲストに対する捕捉力が飛躍的に向上するクラスター効果の概念をホストの分子設計に取り入れて、複数個のシクロファンを集積した新規ホストを開発し、細胞への薬物送達のための効果的なキャリアとしての可能性を探索した。クリックケミストリーを採用して複数個のシクロファンを集積した新規ホストを収率87%で合成することに成功した。さらに、ペプチド合成法を利用してシクロファン5量体までのホストも合成した。これら5量体ホストのゲストに対する捕捉能は単環性ホストと比較して 49 倍以上に向上した。一方、ピレン基を導入したシクロファン4量体がヒト肝がん細胞へ取り込まれることを示した。また、細胞内へ送達したゲストを放出できることも示唆された。
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