従来と異なる作用機序を有する新しいタイプの免疫抑制剤の開発
研究責任者 |
保坂 公平 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 免疫抑制剤として現在、頻用されているタクロリムス(FK506)類はイムノフィリンを介して間接的にカルシニューリン(CN)を阻害する。本研究の目的はCNを標的とし、これらとは異なった作用機序の抑制剤のシード化合物を発見する事である。プラスチック中から目的物質を精製・構造決定した。この物質は新規化合物ではないが、IC50は凡そ10μMとなり、しかも CNに直接作用する事は今回の研究で初めて判明した。そこで、この物質をシード化合物に決定した。側鎖のアルキル基を長くすると更に酵素の阻害作用が強力になり、IC50値は更に低くなった。細胞レベルでの作用をJurkat細胞のIL-2産生能を指標に調べた結果、シード化合物は100μMの添加で50-60%の産生阻害をした。今後は更に化合物の側鎖や、基本骨格の芳香環を変化させてみたい。
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