廃シリコンスラッジの前処理フリー新規再生技術の開発
研究責任者 |
友野 和哲 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | シリコンインゴットの切削加工時に大量に発生する廃シリコンスラッジ(切削時の歩留りは50%)をリサイクルするための新規前処理プロセスの開発を目指した。本研究では、化学的手法であるブロモ化反応による廃シリコンのリサイクルに関して、不純物(砥粒、摩耗金属、クーラント)が与える影響を調査した。廃シリコンの不純物を段階的に処理し、ブロモ化反応を実施した。各工程で得られたサンプルの純度分析から、砥粒除去工程と酸処理(金属除去)は不要であると結論できる。これは、冶金学的手法の克服すべき課題である砥粒の問題点(SiCの高い融点とSiと比重が近いことから分離が困難)と酸処理の問題点(Siの酸化による酸素不純物の混入)を解決出来うる結果と考えられる。一方で、クーラントに関しては従来方法では完全除去は困難であり、真空加熱処理を行う必要が分かった。今後は、水系クーラントを含む廃シリコンに関して除去方法を検討し、最適な前処理方法を提案する。
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