内視鏡的腫瘍切除を安全で容易に行うための新しい粘膜下注入材の開発
研究責任者 |
草野 徹 大分大学, 医学部 総合外科学第一講座, 医員
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 食道・胃・大腸がんなどの消化管の早期がんに対して、技術の発達により内視鏡的腫瘍切除で多くの症例が根治できるようになってきた。しかし、内視鏡的腫瘍切除には時間を要し、出血や穿孔などの合併症が問題点としてあり(1~4%程度)、新しい粘膜下注入材の開発が期待されている。我々の研究チームでは、新しい粘膜下注入材になりうる物質の一つとして、摂氏20度から60度まではゲルとして、20度以下では液体として存在するという特性をもつ温度感受性物質に着目し開発してきた。結果として、ブタ切除胃において従来の粘膜下注入材と比較し、隆起高と隆起保持能に有意差を認めた。早期がん直下の粘膜下層に当製剤を注入しゲル化させることにより、腫瘍の消化管からの剥離・切除を安全で効率的に行える可能性があり、研究を続けている。
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