多動症におけるCIN85の異常解析と遺伝子診断法の確立
研究責任者 |
下川 哲昭 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 本研究開発は多動症患者におけるCIN85遺伝子異常を同定し遺伝子診断法の確立を目標とした。ドイツ ゲッチンゲン大学のシャウキエール博士から提供されたヒト多動症家系のCIN85遺伝子 360 kbpにおける塩基配列をIllumina HiSeqによる次世代シークエンスにより解析した。その結果、男性患者の一人にCIN85遺伝子の部分欠損が認められた(3研究開発成果に詳細に記載)。この部分欠損は異常なタンパク質の生合成を誘導し、正常な脳機能における細胞内情報伝達機構を撹乱し多動症を発症させると考えられる。本研究開発では多動症患者におけるCIN85遺伝子異常の同定には成功した。しかし、遺伝子診断法は遺伝子解析の期間が予想以上に長期化したために未だ確立していない。今後は遺伝子解析期間の短縮化を計り、同定された遺伝子欠損のPCRによる簡易同定法を確立して行きたい。
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