猫の腹水貯留性疾患を鑑別診断するための迅速かつ簡便な方法の開発
研究責任者 |
田島 朋子 大阪府立大学, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 猫伝染性腹膜炎(FIP)罹患猫腹水中に含まれるFIP特異的蛋白検出の簡便な方法を開発することを目的とした。まず、FIP特異的蛋白に対する抗体を得るため、FIP罹患猫腹水を酢酸と反応させて得た沈殿を抗原とし、ウサギでポリクローナル抗体を、マウスでモノクローナル抗体を作製し、サンドイッチELISAの系の作出を試みた。10種類の組合せを試みたが、感度が悪いものや非特異反応の強い組合せがあり、満足できる結果が得られていない。今後も、抗体の種類を増やす、システム自体を変えるなどの検討を行う。 一方、酢酸で得られた沈殿中の蛋白に関して、これまでは蛋白の組成について全く不明であったが、今回その蛋白を質量分析して、あらたに3種類の成分を同定した。急性期蛋白が主であるが、今後、これらの蛋白がFIP罹患猫に特異的な蛋白のマーカーになりうるかも含めその意義についても検討を行なう。
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