研究責任者 |
長崎 幸夫 筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 活性酸素消去能を有するナノサイズの粒子(レドックスナノ粒子、RNP)が大腸粘膜に高度に集積し、難病に指定される潰瘍性大腸炎の治療に成功した。本開発ではRNPの腸内粘膜集積性を検討した。その結果、RNPは大腸粘膜内に高度に集積することが確認された。集積はサイズ依存的であり、40nmの粒子は200nm以上の粒子に比較して50倍程度の集積性を示した。潰瘍性大腸炎モデルでは通常マウスに比較してさらに50%集積度が増し、高い集積性を確認した。一方でナノ粒子は血中に全く取り込まれず、全身への副作用の惹起を抑えることが確認された。このようにRNPは安全で効果の高い潰瘍性大腸炎治療薬となる。RNPの経口投与による腸内細菌分布はほとんど変化せず、潰瘍性大腸炎モデルマウスで増殖する大腸菌、ブドウ球菌を有意に抑制することが確認された。
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