低病原性腫瘍特異的感染ウイルス成分による癌イメージングシステムの開発
研究責任者 |
齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院医学研究院 分子ウイルス学, 助教
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 本研究はシンドビスウイルス成分を搭載した腫瘍特異的吸着リポソームを色素標識し、癌細胞を明示化し、生体内での追跡実験や手術のナビゲーション・システムを開発することを目的とした。まず、ウイルス蛋白の融合許容性と、経時的・物理的安定性を持つリポソーム(Liposome NS)を調整し、腫瘍特異的吸着能リガンド成分を加えて、シンドビスハイブリッドリポソーム(SIN Liposome NS)を開発した。更に、蛍光標識として、リポソーム内水層へFITC-dextranを、リポソーム脂質内へはFITC脂質またはrhodamine脂質を付与することができた。蛍光標識したSIN Liposome NSは、 Liposome NSと比較し、癌細胞株への吸着能が35-100%向上した。次に、同リポソームを担癌マウスへ投与し比較したところ、S/N比が20%向上した。今回、ウイルス成分を応用し腫瘍集積する製剤を開発し、癌イメージングに成功した。今後は、生体内でのイメージング効果の向上のため製剤の改良を行なっていく。
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