変形性顎関節症治療への新しい技術開発―低出力超音波を用いた関節軟骨修復法―
研究責任者 |
田中 栄二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 本研究は従来、四肢の骨折の治療補助器として実用化されている低出力超音波を応用し、変形性顎関節症により損傷した関節軟骨を修復する全く新しい治療技術の開発を最終目的とする。本課題の研究成果として、培養下顎頭軟骨細胞に対してIL-1βを添加するとCOX-2遺伝子の過剰発現とPGE2産生亢進、MMP遺伝子発現誘導が見られた。この炎症状態下の軟骨細胞に低出力超音波を照射するとCOX-2遺伝子発現が抑制された。この抑制メカニズムにはERK1/2のリン酸化とインテグリンβ1β3が関与していた。さらに、過剰開口によって作成した変形性顎関節症モデルラットを用いた実験により、低出力超音波が下顎頭軟骨における抗炎症作用を有することが明らかとなった。本研究課題における達成度はほぼ100%であり、今後は変形性顎関節症に対する臨床研究を開始する予定である。
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