ユビキタス金属触媒によるジホウ素化アルケン類の実用合成
研究責任者 |
吉田 拡人 広島大学, 大学院工学研究院, 准教授
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | ジホウ素化アルケン類は、その2個のホウ素部位を手がかりに、連続的変換反応を施すことができる極めて有用な合成中間体である。既に多数のメーカーから市販試薬として販売されているが、市販数は狭小であるうえ、各販売価格は現状では高い。これは、先行技術で使用する触媒のコスト高さに帰することができる。本課題では、安価で入手容易性の高い銅系触媒を用いることで、ジホウ素化アルケン類を低コスト合成できる実用プロセスを開発することを目標とし、大半の基質をジホウ素化できる触媒系の開発、および、触媒量の軽減(0.5mol%程度)を達成できた。また、ジホウ素化アルケンのグラム単位合成を指向したスケールアップや精製法も確立でき当初の目標の達成度は9割程度である。より一層の触媒量軽減により工業化を見据えた技術へと展開できると考えている。
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