概要 | 本研究はナノ構造の創製および制御により貯蔵密度を6質量%以上、水素放出温度を200°C以下の高密度水素貯蔵材料の開発を目指して、MB2(MはMg, Al, Ti, V, Cr, Zr)を水素中でメカニカルアロイング処理を行い、その水素貯蔵特性を系統的評価した。従来、MgB2の水素化反応による約15mass%水素を含有するMg(BH4)2を合成するには400°Cで90MPa H2が必要とされたのに対して、MgB2のナノ構造を適切に制御することによって、室温で1MPa H2でもMg(BH4)2を生成することができた。MgB2以外のMB2においても、ナノ構造の制御により水素貯蔵特性の向上が確認された。今後は、ナノ構造の制御による水素貯蔵特性向上の機構を解明し、実用可能な高密度水素貯蔵材料の開発を継続する。
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