概要 | 次世代シーケンサーの膨大な出力を多検体同時処理に応用する方法について、技術開発を試みた。公開されている個人の経時的トランスクリプトームデータ(20 time point)を取得し、これを通常区(16 point)、高血糖区(4 point)の2群に分け、高血糖区特異的な41遺伝子をマーカーとして選抜した。次に通常区から15データ、高血糖区から1データを無作為に抽出し、Hyper-Multiprex法によりデータを混合、8データセットに再構築した。ここから高血糖区を推定する試行を行った結果、72.6%の確立で成功したが、目標の95%には達しなかった。また、同時処理数を、32, 64, 128と増やして同様の試行を行ったが、それぞれ、30.3%, 0%, 0%と十分な成績を得ることは出来なかった。これはマーカーの特異性がノイズに埋もれてしまうことが原因と考えられ、本法を遺伝子発現プロファイルの解析に用いるためには特に明確なマーカーの選抜が必須であることが示唆された。
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