概要 | 高強度なホイスラー化合物をベースにして,熱伝導率を広範囲に制御できる熱電材料開発を行うことを目的とした。p型性能向上のため,非化学量論組成Fe2VAlをベースとしてTiで置換した結果,ゼーベック係数の最大値は340Kにおいて106μV/Kになった。このp型とn型材料と組み合わせると,ゼーベック係数の絶対値の和は266μV/Kとなる。n型についてはSi置換合金が優れた熱電特性を有しており,Vの一部を同族のTaで置換して熱伝導率を約7W/mKまで低減させることに成功した。重元素置換だけでは熱伝導率は目標の5W/mKには届かなかったが,組織微細化を組み合わせることで目標を達成できる見通しが立った。
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