放射性セシウム汚染された土壌のマツバイによるファイトレメディエーションの実用化研究
研究責任者 |
榊原 正幸 愛媛大学, 大学院理工学研究科 数理物質科学専攻, 教授
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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概要 | 本研究の目標は、放射性Csによって汚染された土壌を、カヤツリグサ科ハリイ属マツバイを用いて除染するファイトレメディエーション技術を実用化することである。マツバイのCs吸収能力は本研究で確立された無菌培養系マツバイおよび自生マツバイで実証された。その最大濃度は1560 mg/kgである。また、マツバイのCs濃度はマツバイ中の珪酸体が有無に関わらず同程度であることが明らかになった。実用化実証フィールド試験では、高レベルの放射性Csに汚染された水田において、マツバイによるファイトレメディエーションの大規模な栽培実験を行った。その結果、マツバイの放射性Csの最高放射能濃度は5100 Bq/kgであり、生重量での移行係数は0.066に達した。この値は福島県における実験での既存のデータと比較して十分高いものである。以上、予定されていた研究の約9割を終了し、重要な成果が得られた。これらの本研究結果に基づくと、マツバイは福島での放射性Csのファイトレメディエーションに有効であると考えられる。
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